事業としての不動産投資のすすめ
築古アパート・マンションの満室経営が地方都市を救う!
投資全般

会社員がラットレースを抜け出すためには●●●を磨け!

私は前々職、大手SIer(情報システムの企画、構築、運用などの業務をシステムのオーナーとなる顧客から一括して請け負う情報通信企業)で働いていたのですが、今でもたまにその会社の友人と飲みに行きます。

友人はどうやら、最近の会社の体制に不安を抱えているようです。

SIerに勤める友人
SIerに勤める友人
今、会社で45歳以上の社員に早期退職促しててさ。営業とかSEへの配置転換も進んでて。コストセンターの高給取りはいらないってことなんだろうね。
らんべるアセット八木
らんべるアセット八木
あ~、ニュースでもみたわ。大変そうやね。
SIerに勤める友人
SIerに勤める友人
俺はまだ30代だから対象じゃないけど、あんなの目の前で見せられたら会社を信じて尽力するのがバカらしくなるね。
らんべるアセット八木
らんべるアセット八木
明日は我が身ってとこ?
SIerに勤める友人
SIerに勤める友人
これまでそこそこ真面目にSEとしてやってきたつもりだけど、そろそろ転職考えようかなぁー。
らんべるアセット八木
らんべるアセット八木
転職しても自身で稼げるスキルがないと結局同じことにならへん?
SIerに勤める友人
SIerに勤める友人
じゃあ何か資格でも取るかぁー
らんべるアセット八木
らんべるアセット八木
せっかく努力するなら、努力の方向性を誤らないようにしたいね!

ラットレース

こんにちは、らんべるアセットの八木です。

あなたは「ラットレース」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
ラットレースというのは、私も20歳のときに読んで衝撃を受けた『金持ち父さん貧乏父さん』という書籍の中に出てくる言葉です。

少し長いですが、ラットレースについて語られている部分を引用しますね。

 平均的な教育を受け、まじめに働く人の一生を思い浮かべてみると、一つの共通したパターンがある。子供が生まれ学校へ通い始める。両親は子供がそこそこの成績をとり大学に入学すると大喜びし、子供のことを誇らしく思う。その後子供がさらに学業を続け大学院へ進む場合もあるかもしれないが、いずれにせよそれまで教えられてきた通りの道に進む。つまり、最終的には安定した職業あるいは企業をさがして仕事を始める。たとえば医者や弁護士になったり、軍隊に入隊したり公務員になったりするのだ。ふつうは金を稼ぎ始めるこの時期に何枚ものクレジットカードが子供のもとに届き始め、子供は物を買い始める。ときにはもっと前にそれが始まっていることもある。

自由に使えるお金が持てるようになると、子供は自分と同じような若者が集まるところに出かける。仲間と遊んだりデートしたりして、そのうち結婚する。人生はばら色だ。最近では男も女も働くようになったので生活は楽だ。一家に収入の道が二つあるのはじつに快適だ。若い二人は人生における成功を手に入れたように感じる。未来は明るい。二人は家を買い、車を買い、テレビを買い、休暇には旅に出かける。それから子供ができる。子供の笑い声に満ちたしあわせな生活が訪れる。お金がもっと必要になる。子供ができて大喜びの両親は、自分たちの仕事が生活に不可欠だと再認識し、昇進と昇給をめざしてさらにがんばって働く。給料が上がり、次の子供が生まれ、もっと大きな家が必要になる。両親はさらに一生懸命働き、会社に献身するよき従業員となる。収入を増やすために特殊技能を身につけようと学校に戻る親もいる。副業を始める親もいるかもしれない。一家の収入は上がるが、累進課税のためにそれにかかる税金も増えるし、家を大きくしたために固定資産税も増える。社会保険料、そのほか諸々の税金も増える。二人は「給料は増えているのに、そのお金はどこへ行ってしまったのだろう」と不思議に思いながら、あまったわずかなお金で投資信託を買い、生活必需品をクレジットカードで買う。子供たちは学齢期に達し、大学進学のためのお金を貯める必要が出てくる。それと同時に自分たちの引退後の生活のためのお金も貯め始めなければならない。

三十五歳になったしあわせな二人はいまや完全に「ラットレース」に巻き込まれ、退職の日までがむしゃらに働き続けなければならない。彼らは会社の持ち主に利益をもたらすために働き、政府に税金を払うために働き、銀行にローンを返すために働き、クレジットカードでの買い物の支払いをするために働く。

そして、両親は子供に「一生懸命勉強していい成績をとって、安定した職業につきなさい」と言い聞かせる。こういう親たちはお金について一生何も学ばず、ただがむしゃらに働き続ける。彼らがお金について学ぶことと言えば、彼らの無知を利用して金儲けをする金持ち連中が耳に吹き込むことだけだ。このプロセスは次の世代でもまた繰り返される。これが「ラットレース」だ。

ロバート・キヨサキ/シャロン・レクター(2000)『金持ち父さん貧乏父さん』筑摩書房p11~12より

恐るべきは、世の中の大半の人々がラットレースに巻き込まれているという自覚がないことです。
常識的に、そういうものだと思っている。
だから現状を変えようとしないし、変えられるとも思っていないんですよね。

いや、現状は変えたいのかもしれません。
引用した文章の中でも両親は一生懸命働いていますし、特殊技能を身につけようと学校に戻ったり、副業を始めてみたり。
それはそれで素晴らしいことですし、その努力はまったくの無駄にはならないと思います。
ですが、問題は以下の3点です。

  1. 現状をB/SとP/Lで立体的に把握していない
  2. 本当の資産とは何かを知らない
  3. 「足し算」のアプローチのみしか知らない

ラットレースを抜け出せない理由

①現状をB/SとP/Lで立体的に把握していない

現状を立体的に把握しないまま、家を買ったり車を買ったりといった大きな判断をしている人々が世の中には多すぎます。
「給料は増えているのに、そのお金はどこへ行ってしまったのだろう」と不思議に思いながら、あまったわずかなお金で投資信託を買っている場合ではない。

余談ですが、そういう人は家を買った場合の月額の借入返済額と賃貸で住んだ場合の家賃を比べて、「賃貸で借りるより家を買った方が良い!」と安易に判断しますし、営業マンもそういったアプローチをしてきます。
月々のキャッシュフローで比較するのは直感的にわかりやすいですもんね。
そうやって、みんな住宅ローンを組んで家を買ってしまう。
家計はもっと苦しくなる。

B/SとP/Lとは、と説明し出すと本1冊分くらいになるのでここではしませんが、言いたいことは「簿記3級レベルの複式簿記の知識は全国民が身につけているべき」ということです。
マジで簿記を義務教育にすべき。3級レベルで良いから。

問題解決において現状把握は出発点ですから、現状を把握できない、理解できない、というのはやっぱり致命的です。
これを読まれている方で簿記はさっぱり…という方は、今からでも簿記3級の学習を始めてください。
1週間もあれば合格レベルまでいけるので。

②本当の資産とは何かを知らない

『金持ち父さん貧乏父さん』には会計学的な「資産」(B/Sの借方)とは別に、「本当の資産」という概念が出てきます。

「本当の資産」は資産そのものがお金を生み出します。

たとえば、株式や債権、貸し不動産、収益を生むWEBサイト、等ですね。
それに対して、会計学上の資産ではあるけれど、「本当の資産」でないものもあります。
自宅や自家用車がその典型です。
持っててもお金を生み出さないですもんね。

「自宅や自家用車を買うべきではない」とまでは思いませんが、「本当の資産」の取得を優先すべきです。
自宅や自家用車は「本当の資産」が生み出したお金で買いましょう。

③「足し算」のアプローチのみしか知らない

世の中には「足し算」と「掛け算」、2つの働き方があります。
以下、表にまとめてみました。

足し算 掛け算
所有の有無 自らは所有しない リスクを取って自ら資産やビジネスを所有する
収益の根源 労働力の提供 リスクテイクの結果生み出される、お客様が感じる価値
自身が不在のときの収益 ゼロ 問題なく収益が出る
働き方の例
士業、会社員、専門職 投資家、オーナー社長

引用の中に出てくる夫婦は「足し算」しかしていないことがわかります。
昇進・昇給を目指して会社に献身的に尽くすことや、特殊技能を身に付けようと学校に通うこと、副業(ダブルワーク)を始めることはいずれも「足し算」のアプローチです。

世の中では、お金持ちになりたかったら医者や弁護士などの「士業」のように特殊技能を身につけるべきと深く信じられています。
士業になれば年収は格段に上がるでしょう。
しかし、これも「足し算」のアプローチです。
結局は労働力を提供している、もっと平たく言えば「時間の切り売り」の域を超えられていないからです。

「掛け算」のアプローチとは、「今ある資産を使って、新たにお金を生み出す」ということ、要は投資の発想です。

起業したり、飲食業の店舗を買ったり、会社そのものを買ったり、株式の売買をしたり、不動産投資をしたり、収益を生むWEBサイトを作ったりといったことはすべて「掛け算」のアプローチです。
「足し算」と比べると不確実性は高いですが、自ら所有してリスクを取る分、リターンも大きくなります。

「足し算」と「掛け算」の関係性

前項で「掛け算」のアプローチをしていないためにラットレースから抜け出せない、という話をしましたが、これは「足し算」よりも「掛け算」の方が優れている、という話ではありません。

どちらも大切なのです。
というより、多少なりとも「足し算」がなければ「掛け算」はできないはずなのです。
なぜなら、「掛け算」には原資が必要だから。
原資にはおカネはもちろん、経験も含みます。

例えば、ガッツリ利益が上がっている会社を格安で買えるチャンスがあったとしても、まとまった資金と借入を起こせるだけの信用力、業界知識や経験が自身になければ、そもそも始まらないわけです。
また、買えたとしても不確実性が高いのが「掛け算」の世界です。
原資をゼロにするどころか、マイナスになる可能性すらあります。
きちんと経営していれば、まずそうはならないでしょうけどね。

確実性の高い「足し算」の収益源が「掛け算」の事業と並行してあれば、その心強さは計り知れないでしょう。
資金繰りに追われ、本業が疎かになって潰れていく会社の多くが「掛け算」のみで勝負した会社です。

会社員はラットレースを抜け出すために「掛け算」を磨け!

頭の回転の早いあなたなら、もう勘づいたかもしれません。
会社員という立場は、それそのものが「足し算」なのです。

会社員をやっていると当たり前になってしまっているかもしれませんが、毎月確実に給料日に給料がもらえることのありがたさよ。
「足し算」はもうそれで十分じゃないですか。
会社員なら意識して「掛け算」を磨くべきです!

要点まとめ
  1. 家計をきちんと立体的に把握して、お金の使い方を評価・検討する
  2. 特に大きな買い物をするときは、それがキャッシュフローを生む資産なのかどうかを考える
  3. 「掛け算」に自身のリソース(時間やお金)を割けているのかを考える

ラットレースを抜け出すためにせっかく努力するなら、正しい方向に努力したいですね。